業務用/放送用ビデオモニター友の会
(旧名称 EBU友の会)
2018.12.29 更新(笑)
現在入会は募集していませんが、参考にはなると思います。
2018年の内容に合わせ修正しています。


   PVM-D20L5J

〜家庭用テレビでは満足できないアナタへ〜

今や、ブラウン管式ビデオモニターは最早風前の灯火ではあるが、本当の高画質は未だブラウン管式ビデオモニターで無ければ、現状は実現出来ない。
本会の目的は、今敢えてブラウン管式、かつ業務用/放送用ビデオモニターの所有者や、所有しようとする者が情報交換を行う場としたいと考えている。

本会の入会に関しては、特に規制を設けない。
出来れば、業務用・放送用ビデオモニターの所有者、もしくは所有検討者が望ましく考える。

1.何故、業務用・放送用モニターなのか?

 やはり、それは画質の良さにある。
 家庭でもハイビジョンの録画・再生が当たり前に出来るようになった昨今、ハイビジョンを視聴する民生用テレビ、モニターの画質が意外に綺麗ではないことに気づかないだろうか?

 特に、家電店店頭で見るデモの映像は一見高画質に見えるが、実は派手に見える設定が行われている。
 業務用・放送用モニターは派手な画づくりではない。

 これには無論理由があり、適切な調整を行い、適切な環境で視聴し、高画質なソースを用いれば驚くような高画質が得られるのです。

2.メンテナンスはどうなるの?

 修理に関しては、基本的に出来ないと考えて良いでしょう。
 メーカー修理に出すと、おそらく購入価格くらいは掛かると思うので、基本的には使い捨てです。

3.民生用テレビと比べて、メリット・デメリットは? 

家庭用TV(管) 家庭用TV(板) 業務用 放送用
価格(定価) 低〜並 並〜高 超高
価格(中古市場) 並〜低 低〜並(程度による) 高(程度による)
大きさ 特大
明るさ
民生用機材(SD)とのマッチング 良好 良好 良好
大画面 あり、37インチ迄 100インチ以上も可 通常20インチ 通常20インチ、最大30インチ程度
SD共存の場合のSD画質 低〜並 並〜高 並(HD専用の場合は低)

 民生機からの移行では、

 ・リモコンが使えない
 ・入力が思った以上に少ない
 ・比較的暗い部屋でないと使いにくい(ものによる)
 ・めんどくさそう
 ・ソースを綺麗に見せないので、ソース画質が悪いと悲惨なことになる

 などがデメリットでしょうか。

4.業務用にも種類があってよく分からないのですが?

 業務用でも、低廉機から高級機までラインナップが多数ありますが、簡潔かつ分かり易く書いてみます。
 いずれもソニー品番です。

 【ソニー PVMクラス】

 これは低廉なものからそこそこのお値段のものまで色々ありますが、家庭にて映像マニアが楽しむのであれば、低廉機は買うべきではありません。
 中古で安く出てたから、といって確認せずに買うと、多分後悔します。なので、下の文章を良く読んでください。
 一概にPVMがすべて良いわけではありません。

  最低限でも

 ・HRトリニトロン搭載
 ・EBU蛍光体

 これは死守すべきです。


 PVM-1444Q/2044Q以前のピクチャーモニターでは、「Super fine picth」というものがあり、これはHRトリニトロンのご先祖にあたると思われます。

 型番で書いてみますと、以下のものが買いになります。

 <SD専用モデル>

 ・PVM-1444Q/PVM-2044Q(家庭用カタログにも掲載されていた!)
  この2者はHR管ではなくスーパーファインピッチ管なので要注意!綺麗ですけどね。

  ・PVM-1454Q/PVM-2054Q(OSD初期モデル)
  ・PVM-14M4J/PVM-20M4J(上記のマイナーチェンジ版・最終モデル)


 特に1454Q/14M4J以降、およびこれの20インチモデルは、場所によれば制作用のマスモニ代わりにも使用されていたりします。
 いずれも入手はヤフオクなどで容易でしょう。

 <マルチフォーマットモデル>

 ・PVM-D14L5J/D20L5J、PVM-D14L5DJ/D20L5DJ


 これだけの種類しかなく、後者はSDI入力がついており非常に高価です。
 前者も製造期間が思ったほど長くなく、末期にはマニアが買い漁った為、なかなか市場にも出てきません。
 値段なりにHD/SD両方を映します。非常に出来の良いピクモニです。

  (2018注)デメリットとしては、マルチフォーマット機はSD、HD共に走査線が細いです。
 特にSDについては走査線が目立ってしまいます。マルチフォーマット機ならではの宿命です。
 20インチまでのHDならば走査線はさほど目立ちません。

 <PHM (HD専用) モデル>

 PHMは、おそらくPHM-14M7J、PHM-20M7J、PHM-3600の3種類しか出ていないと思います。
 前者2種類はHD専用機ですので、SD環境との共存には注意が必要です。
 PHM-3600はHDもSDもOKながら、「リアルSD」ではなく、DRC-MFのご先祖様が入っております。
 また、クラス的にもプレゼンテーションモニターの性格が強く、画質優先に振ったものではないようです。
 (とはいえ、一般家庭用テレビとは比べ者にならないですが)

 PHMの3種類は、あんまり数が出ていませんが、出ていれば買いでしょう。
 PHM-3600は巨大ですので、置き場所さえなんとかなれば良いと思います。

 <余談1:白いPVMやオリンパス製のPVMみたいなのを見かけましたが、あれは何?>

 これらは、病院等で内視鏡等のビデオモニターとして発売されていたものです。
 いずれも基本的に一般用PVMと同じで、医療用機器として若干の設計変更がされたものです。
 HR管が載ったものであれば買いです。
 左上の「HR Trinitron」の文字を確認してください!
 この世界も、急速にパネルモニターへのシフトが進んでいます。

 <余談2:PVM-2950QJって何?PGR-200R1Jって何?>

 PVM-2950QJとは、プレゼンテーションモニターで、ベースはご存じKX-29HV3ですが、コンポーネントビデオ入力をBNCにし、コンポーネントビデオ入力が追加されています。
 KX-29HV3より使い手はあるかも知れません。

 PGR-200R1とは、ベースはKX-29HV3ですが、基本的にVGA入力専用のディスプレイとなります。
 ビデオ入力を備えてないのですが、オプションボードを入れるとビデオ入力が追加出来ます。
 リアルSDじゃなく、ボード上ですべてVGA相当に変換して表示するもののようです。
 必要なければ、これは買わない方が良いかと思います。

 【ソニー BVMクラス(管)】

 ここまで来ると、泣く子も黙る放送用になります。
 この辺は家庭用でも使いづらく、一概にお勧めはしません。
 画質については折り紙つきで良いです。家庭用で導入は本当にお勧めできません。(笑)

 映像入力は民生機材との共存なんて考えていませんから、「コンポジットかコンポーネントかGBR」しかありません。
 S映像を入力するのは一苦労です。

 初期のBVMは、SD専用のマスターモニターでしたが、近年はマルチフォーマットモデルもBVMの名がついています。

 これのマルチフォーマットモデル(BVM-D、BVM-A)は現状入手出来る最高級機になります。
 うまくコントロールパネルや、入力ボードなどもそろえなければならないのですが、入手できそうでしたらがんばって導入してみてください。
  (コンパネがないと調整がいっさい出来ません)

 BVM-D24/32シリーズには致命的な欠陥があるので要注意です。
 電源ON起動時に、管内放電し電源に過電流が流れ、オーバーロードランプが点滅し起動できない個体が続出しています。
 これに対する対応方法はありません。
 起動時に相当無理な動きがあるようです。

 唯一、延命できるかも知れない方法は「起動時のイニシャライズ処理の設定を変える」事です。
  既に実機も手放してしまいました。
 方法も忘れました・・・。

 【ソニー BVM-L、PVM-Lシリーズ(板)】

 経年してきた管モニターのリプレース用としてソニーが頑張って作った板モニター。
 画質はBVMより少し劣りますが、家庭用テレビよりは全然良い画質です。
 BVM-DやAをリプレースさせる為にソニーが本気を出したものですので、悪いはずがありません。
 管では避けられない、磁気の影響やラスターの歪みはまず発生しません。
 内部回路が良く24インチ1080iでも走査線は目立ちません。

 私がBVM-Dを手放した理由は、BVM-Dのクリチカルすぎる構造と、年齢で重量物移動が厳しくなってきたからです。
 特におすすめはPVM-Lです。バックライトが冷陰極管と一昔前ですが、そのためにお安く買えます。
 また、同じ買うならHDMI端子付きが民生機と仲良くなりやすいのでお勧めです。
  尚、BKM-15/16Rが必要となります。
 内部設定はBVMそのままに異様に細かい設定ができます。
 従来のPVMとは比べものにならないです。

 PVM-L3200という32インチモデルが存在するのも特筆すべき事です。
 (BVM-Lは23インチと17インチだけです)
 当方ではPVM-L3200とL2300を所有しています。

 これらは中古でもときどき見かけます。
 状態は様々ですが、概してBVM-Lは故障機が時々見受けられるようです。
 買うときには十分注意が必要です。

 【ソニー HDMクラス(HD専用)】

 マルチフォーマットモデルのHDMが出るまでは、ハイビジョン専用の最高級品でした。
 種類も少なく、HDM-1430/2020/2030、HDM-3020/3030HDM-14E1J/20E1J、HDM-14E5J、上は36インチだか42インチだかの大型モニタがあったと言われています。
 ウチにはHDM-3030があります。→手放し済み
 画質は、いまでもトップレベルと思っています。
 いずれもHD専用ということに注意が必要です。

 5.ピクチャーモニターとマスターモニターの違いについて

 ピクチャーモニターは、価格はそこそこに、調整機能も基本部分のみで、映像の内容確認に使用する目的のものです。
 マスターモニターは、映像制作用の基準となるモニターで、調整部分も多岐に渡り、数台のモニターを遠隔操作で同じ色合いに調整出来たり、メンテナンスも比較的簡単に行えたりします。
 特に画質を追求する為に、妥協がありません。
 また、映像機器製造メーカーの基準用としても用いられ、半ば測定器の性格が濃い部分があります。

 調整部分が多いということは、いろいろな部分をユーザーが調整できるようになっているということで、例えば四隅のコンバーゼンスなんかも追い込めばきっちり合いますし、調整しがいがあります。

 6.購入したくなりました。中古の機材を購入する場合のコツを教えてください。

 まず、中古と言いましても、入手できるものには、「中古」「現状渡し」「ジャンク」の3つがあります。
 この場合、中古、というのは保証がある程度付いていたり、メーカー点検済みだったりの程度が良いもの。
 現状渡し、というのは、販売時は良好動作、一部瑕疵があってもそれはそのまま、お値段は安めだし、了解して買ってね、というもの。
 ジャンク、というのは、動作が良好かどうかわからん故障品だけど、格安で入手出来るもの。

 個人的には現状渡しの程度良好品を狙いたいものです。
 ジャンク、に関しては修理の腕に自信がある人以外は避けた方が無難でしょう。

 ブラウン管のついたものを買う場合、基本的には大博打です。
 マスモニクラスになると、アワーメーターがついていたりしますが、ピクモニではそんなものありません。

 ・個人的なお勧め

 キャラクター焼けがあるモニター 

 → 焼けのため格安で入手出来る。焼けが気にならない程度のものを入手出来ればラッキー。
    ただ、リセールバリューは無いと思ってください(笑)。

 ジャンル違いのお店の店頭に出ているもの

 → 普通のリサイクルショップやパソコンショップなんかにひょこっと出てたりします。
    重たくて大きくて邪魔になることが多いので、格安で出てたりします。

 業務、放送機材専門店のジャンク

 → 個人的には、酷使された後で出涸らしになるかどうか、スクラップ寸前というシビアなレベルの品物だと思います。
    到着時には動作OKでも3日で壊れるかも知れません。
    自分で修理などの対処が出来る人にはお勧めです。
    腐っても業務用故、お店も業務用としての程度を重視します。
    よって、家庭で使うのには支障無いレベルの不具合内容でもジャンクにしてしまう事もあります。

 ヤフオク

 → 超博打。程度が良いと解れば買い。

 7.池上やシバソクのものはどうか?

 お勧めできます。但し素人には敷居が高くなりますので要注意。

 8.大画面でPVMやHDM、BVMの画質を楽しみたいのですが?

 現状ではかなり敷居が高くなります。
 PVM程度の画質で良いのでしたら、KX-29HV3もしくはKX-32HV50。これしかありません。
 HDMならHDM-3030、BVMならBVM-D32E1WJくらいしか選べません。
 思い切ってPHM-3600というのもありかも知れませんが、見かけません。

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